1992年8月 マジックアイランドにて f101

 午前中はずっと曇っていた。早起きしてサンセットビーチまで足を延ばしたが、あまり撮影できるほどの被写体には会えなかった。ハレイワを抜けて甘い香りのするパイナップル畑を通り過ぎ、H2フリーウェイを走りあっという間にホノルルに戻ってきた。アラモアナ公園の駐車場に車をとめ、ぶらぶらする。暇なときはいつもなんとなく、ここへやってくる。ここのゆっくりと時間が流れる様な雰囲気が好きだ。そしてなにより、滞在先に近い。しばらくすると軽いスコールが通り過ぎた。ここにいる人たちは濡れることを気にしない。ジョギングしていたり、海を見ていたりそのまま続ける。ワイキキがよく見える方向にあっという間に虹が出てきた。大きな大きな虹だった。半径は20ミリ広角レンズにぎりぎりで入るくらい大きかった。シャッターを何度も押した。手応えがあった。しかし、この大きな虹はすぐに薄くなりはじめた。そして、まもなく消えた。今まで今日の天気と同じぐらい曇っていた気分も、この瞬間から一気に回復した。